ぬりえ振興会HP管理人 なかじまよういちです。
2008年7月現在の、当HPの活動方針を、
ざっくばらんに述べさせていただきます。
冗長な文章ですが、ご容赦ください。
21世紀に入ってからの現象として、
ぬりえが急激に見直され、ブームとして定着しつつあるそうです。
書店にぬりえコーナーが設けられ、町できいちの絵を目にする機会が増え、『世界ぬりえ大会』なんてものまで開催されたりしました。
といっても、ぼくはそれらの現象にはあまり心が惹かれませんでした。

そんなことよりも学生時代にアニー会長にちらっと見せてもらった80年代のぬりえがとにかく印象的で、ずっと後になっても忘れられませんでした。きらきらと華やかな彩色の表紙に彩られ、少女マンガ風であったり、アニメ風であったりする女の子達が笑いさざめき…、
えーと、なんと言いましょうか…、
ぼくが慣れ親しむことなく無関係に通り過ぎてきてしまったきらびやかな少女たちの世界を垣間見る、衝撃体験だったとでも表現すべきか…。

はっきり言えるのは、ぼくにとってぬりえは大人になってから遭遇した異文化であり、決して幼い頃から慣れ親しんだ馴染みのアイテムではないということなんです。
そのような人間が『ぬりえ振興会HP』を作成・管理しているということに、自分で戸惑いを感じつつも面白がっているという現状であるということを、ここで白状しておきます。
2000年の冬、
たまだまさお氏と共に旧『ぬりえ振興会HP』を作った当初は、アニー会長の心の中では、メンバー手製のオリジナルぬりえの作品発表などが、メインの企画だったのだと思います。【振興】の名を掲げているだけに、「みんなで塗ろうよ」という熱い呼びかけが『ぬりえ講座』の文体などに表われていますね。

身内びいきと言われそうですが、昨今のぬりえブームが発生する以前に、ユニークな視点と明確な活動方針を持ち、顧みられることの少ない「ぬりえ」を取り上げているウェブサイトは、先駆的だったのではないかと思います。

外部からの反応がほとんどなく、結果的に内輪受けの活動に徹していたあの頃はあの頃で、すごく楽しかったですよ、ぼくは…。
2006年の夏、
ぬりえ振興会HPが何年も放置され続けていることが残念でならなかったぼくは、アニー会長にウェブサイトを作り直させてほしいと申し出ました。
ついでに、これまでになかった企画として、古いぬりえを画像付きで紹介することを提案したのですが、慎重なアニー会長はすぐには賛成しませんでした。
理由は、当然のことですが、著作権の侵害にあたるのではないか、という心配をしてのことです。

ぼくたちは、このようなファンサイトを作ったりしてもいますが、 アマチュアながら創作活動をする人間でもあるので、 日頃より著作者の権利が軽んじられることはあってはならないと思っています。
結局、ページの管理はぼくがきちんと責任を持つ、という条件で、アニー会長には納得してもらいました。
その後も常にページの試作・改訂を繰り返し、議論を重ね、 画像や文中に逐一コピーライトを表記するなど、 著作者に対する敬意と心遣いを忘れずに制作していますが、 こういうことはどれだけ気をつけても十分ということはありません。
現にアニー会長は、現状ではまだ著作者への配慮が足ないのではないか、 画像の使用も厚かましすぎるのではないかと心配をしています。
このページを見て下さる訪問者さまの中に、ぬりえの権利者の方がいらっしゃって、もし『ぬりえ振興会HP』が何らかの権利を侵害していると判断される場合、
あるいは画像の掲載についてご不快に感じられることがありましたらご一報ください。
速やかに対処し、画像や記述の訂正・削除に応じます。
また、このページを訪問して下さる閲覧者の方々にも申し上げます。
当サイトで紹介しているぬりえのデータや画像は、製作会社や作家さんに帰属するものであるということを心に置き、
掲載画像の二次利用等は著作者の権利を損なう場合があるということを、どうか忘れないで下さい。
くれぐれも節度のあるご利用をお願いいたします。
一方で、
せっかくぬりえが見直されつつあるこの時期に、 ネットの世界で情報を探しても、古い昭和初期のものか、最近ブームらしい大人向けぬりえ、あるいはキャラクター商品の、いずれかを扱った話題にばかり行き当たります。
ぼくたちの関心のある80年代以降の女の子向けのぬりえが、まったくと言っていいほど取り扱われていない現状にはがっかりさせられます。
ぬりえメーカーのサイトでも、現行の商品以外まで紹介していませんし、アニー会長が大切に保存しているあの素敵なコレクションの時代が、まるで歴史上存在していなかったかのような情報の空白地帯です。

ぼくは小さなにわかぬりえファンでしかありませんが、せっかくここで紹介ページを作るからには、いくばくかの資料的な価値を持つページを目指したいと考えています。
(と、大きなことを言いましたが、サイト運営を申し出た真の動機は、
とにかくアニー会長のコレクションを残らずじっくり見てみたい、という
よういちの個人的な興味から来ていたと言うのが当たっているかもしれません。)
というわけで、
『80年代ぬりえのデータベース』のようなものを目指して再開してから数えて、まだ1年足らずのぬりえ振興会ですが、活動をこればかりに限定することなく、 今後はアニー会長の「みんなで塗ろうよ」という主張に回帰するような活動も復活すればいいなあ、と期待しています。
予想もしなかった嬉しいこともありました。
BBSでの反響の大きさから、80年代以降のぬりえに対する懐かしさや興味をお持ちの方々が世の中には大勢いらっしゃることを知りました。書き込みどうもありがとうございます。

また、今年になってから、80年代を代表するぬりえ作家さんたちの新作が次々に発表されて、このサイトが扱うぬりえの系譜が現在も続いているということが明らかになりました。
ぼくとしては、「古くて手に入らないぬりえを紹介する」という意義から外れるため、新作と旧作を同じ扱いで紹介することにやや迷いもあります。
場当たり的な対処ではありますが、最新作の画像については掲載点数を少なめにしてあるのはそういう理由からです。ご理解ください。

そして、新しいぬりえにご興味を持った方は、80年代のぬりえ様式を未来に橋渡しするためにも、ぜひともご自身で購入し、実際にみんなで塗って遊んでみるといいんじゃないかと思いますよ。
お知り合いになったコレクターの山田ジョンさんは、
沢山のぬりえをお貸しくださり、おかげさまでぬりえの紹介ページが大きく充実しました。
この場を借りてお礼を申し上げます。
今後もご助言・ご協力を仰がせて下さい。
最後になりましたが、
このサイトで扱うすべてのぬりえを制作なさった方々、応援して下さる方々への感謝と敬意と応援の気持ちを、『ぬりえ振興会HP』の製作と運営につぎ込むことで表現してゆくつもりです。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

2008年7月吉日
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